大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和35(オ)942 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人田中堯平の上告理由第一点について。

所論準備書面記載の事実については、第一審判決中に判断が与えられており、原

審は、第一審判決を引用することにより、原審においても、第一審と同じ判断を下

した旨を表示したものである。それ故、右準備書面記載の事実につき原審が判断を

与えなかったとして非難し得るものでないことは勿論であり、所論違憲の主張は、

右判断が与えられていないことを前提とするものである。所論は、すべて採用のか

ぎりでない。

同第二点、第三点について。

所論通告書の意思表示の解釈についての原審(その引用する一審)の判断は正当

であつて、原審認定の事情の下では、ただちに本件雇傭契約解約の合意の意思表示

の任意性を否定し得るものではない。また原審認定の事情の下で、本件雇傭契約の

合意解約がたゞちに公序良俗に反しもしくは通謀虚偽表示乃至強迫に基くものとい

い得るものでないことも、原審の判断するとおりである。所論は、ひつきよう、原

審の事実認定を攻撃するものであるか、または独自の見解の下に原審の法律解釈を

非難するものであつて、いずれも採用のかぎりでない。

同第四点について。

原判決は、上告人を退職せしめたことが論旨のいう意味でのレッドパージ(共産

党員またはその同調者であることを理由とする一方的解雇)に当るとしながら、雇

傭契約の合意解約が成立した旨を認定したものではない。かえつて、原判決は、上

告人の退職は所論のような一方的解雇として行われたものではなく、合意により行

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われたものである旨を認定したものである。所論は、原判決を正解しないことに基

くものであつて採り得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

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